パンもドレッシングも自家製。県産食材を用いた、洗練イタリアン
まずご紹介したいのは、沖縄本島の南部・南城市佐敷にある「BE NATURAL」。
山道をのぼった先にある隠れ家的なイタリアンです。200坪という緑のなかに抱かれるように建物があり、入口はどこかと脇道を進んでいくと、建物をぐるりとまわった裏手に重厚な扉が。その扉を開けると、想像以上に広いフローリングの空間に、アンティークの小物やテーブル・椅子が配されていて、ヨーロッパの邸宅に遊びに来たかのような感覚になります。
こちらの営業はランチのみで、コース料理で提供しています。アンティパスト(前菜)、プリモピアット(メイン前の料理)、セコンドピアット(メイン料理)、ドルチェのコースに加えて、お好きな飲み物を選べます。
シェフはお店近くにある知念漁港の仲買権をもっているため、漁港直送の新鮮な魚料理をいただけるのが特長です。今回(2023年9月)のメイン料理は、トビイカのソテーにイカスミのご飯、地元産のルッコラ、キュウリのエディブルフラワーを添えた一皿。トビイカには特別な下処理を施しているそうで、硬くなりがちな身がとても柔らかい食感になっていて、うま味もたっぷり。自家製のパンとともに、あっという間に完食してしまいました。
また、それぞれの料理には県産の旬の野菜をふんだんに使用しているほか、パンはもちろん、ドレッシングやスイーツ、焙煎コーヒーもすべて自家製。県産の果物を用いた無添加のコンフィチュールなどは販売もしているためお土産にも最適です。
化学調味料は一切使わず、滋味あふれるコース料理を楽しめます。しかも、これだけ充実した内容にもかかわらず、ランチは2200円(税込み・2023年9月現在)と非常に良心的。というか、この価格で大丈夫だろうかと心配になってしまうほど。
人気店のため予約がとりにくいのが難点ですが、ぜひ訪れる数日前に予約電話をかけてみてください。
BE NATURAL(ビーナチュラル)
古民家を改装した、レトロモダンなカフェレストラン
もう一軒、ご紹介するのは、那覇から約1時間半、北部・本部町にある森カフェ「ハコニワ」です。
こちらは築50年以上の琉球古民家を改装したカフェで、手つかずの自然のなかに佇んでいます。
ただ、店内は畳敷きからフローリングに改装され、レトロな雰囲気のテーブルとイスが並んでいるので、外観とギャップがあります。古民家ながらモダンなインテリアでまとめられた店内には明るく優しい光が差し込むので、“森カフェ”と呼ぶにふさわしい空間に仕上がっています。
人気のランチメニューは、5種類のおばんざいをいただける「ハコニワプレート」。県産の食材や野菜を活かした、“島のおばんざい”が、やちむんのお皿の上に添えられています。今回は、タンドリーチキンやカボチャの揚げづけ、ヘチマのマリネ、ナスのピリ辛炒め、セロリとうりずん豆のサラダを用意。素朴でやさしい風味のしいたけのスープと黒米とともにいただきます。
こちらの「ハコニワプレート(ドリンク付き)」は1100円(税込み)で、プラス200円(税込み)でデザートがセット(この日は自家製チーズケーキ)になるので、食後もゆったりとした気分でついつい長居してしまいます。
しかも、リピーターも多い人気店のため、私が伺った日は9月の平日だったにも関わらず、オープンと同時に店内はほぼ満席に! 細い山道の先にお店はあるので、11:30のオープンと同時の入店を目指して、早めに出発しましょう。
Cafeハコニワ